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都築 僕は「POPEYE」に5年間、「BRUTUS」に5年間携わりましたが、編集会議って1回もありませんでした。僕はずっとフリーなので、提案しないと仕事がないわけ。自分で調べて面白そうな企画があったら、編集長やデスクのところへ行ってみんな直談判していました。会議でプレゼンをするということは、既にやったものがあるということで、やった人がいるということ。それは広告制作の作り方で報道じゃない。面白そうだと思ってやってみるので、まだ起こってないものはプレゼンしようがないわけです。プレゼンできるというのは後追いでしかない。プレゼンする理由は「もしウケなくても、みんなその企画でいいって言ったでしょ?」というリスク分散でしかないわけです。それにこの特集をやると決めても、自分の企画じゃないものをやったりしたら、その時点で本人のモチベーションゼロですよ。会議がすべてダメなわけじゃないけど、ものづくりには絶対向いていない。エネルギーやアイデアをつぶしています。他の職業は分からないけど、編集会議は今すぐやめたほうがいい。
—都築さんは多産です。なぜアイデアが次々に生まれてくるのですか?都築 気になることはたくさんあるじゃないですか! 僕の場合は他の人がやっていないことを探しているわけじゃないんです。スナックに行ったらスナックが面白い。もっとこういうお店がないかと思って書店に行ったらガイド本がない。ないなら自分で作るという感じ。田舎に行って秘宝館に行ったら来月閉めると言われ、誰もこの秘宝館のことを記録してない。もったいないから自分で記録しておきたい。僕のモチベーションは、隙間を探してウケるものを作るんじゃなく、「焦燥感」とか「怒り」とか、そういうことですよ。これだけ飲食の雑誌があって、なぜみんなが行くスナックが取り上げられないのか。自分たちは汚いワンルームに住んでいるのに、なぜ雑誌は住めないマンションばかり特集するのかというのと一緒です。作り手たちの怠慢によって、僕の仕事は成り立っているんです。
